初誕生(タジョウ)

初めての誕生日を祝うことを「初誕生」といいます。
初めての誕生日を祝うことを「初誕生」といいます。日本人には何事も「初」を尊ぶという考え方があり、それを「先祝」といいました。つまり、先に祝ってしまえば、将来は願ったとおりになるという考え方です。初誕生は、別名「もち誕生」ともいわれ、「立ちもち」「力もち」といった餅をついたり、一升餅や米を子供に背負わせる風習があります。ここには、健康で力持ちの子に育って欲しいという親の願いが込められています。また、「物選び」といって、箕の中に、男の子なら筆、本、そろばん(電卓)、物差し、財布などを並べて子供に取らせて最初に手に取った物で、例えば、筆ならば字が上手になるとか、財布なら経済的に裕福になるとか、その子の将来を占う習慣があります。
 日本人にとって餅は昔から神聖なものとしてあがめられ、ある種の霊力が宿ると信じられてきました。ですが、満一歳の誕生日に餅をつく風習は、都会ではあまり見られなくなっています。変わりに1本のロウソクを立てたバースディケーキで祝う初誕生が登場しましたが、これも時代の流れなのでしょう。